睡眠と女性特有の疾患の関係

女性の美容について
女性の美容について眠りについて

睡眠は私たちの美容と健康に欠かせない要素の一つ!!

睡眠不足や眠りの質が低下することで、肥満や心臓病、認知症など様々な疾患の原因となることが知られています。

そして実は、女性特有の疾患、乳がん、子宮筋腫、子宮がんについても、睡眠との深い関係があることが研究から明らかにされています。

ここでは、女性疾患と睡眠の関係についてお話していきます。

 

女性特有疾患とは

乳がんとは

乳がんとは、乳房にできるがんのことです。乳房にできる腫瘍のうち、約8割が良性腫瘍であり、残りの約2割が悪性腫瘍、つまり乳がんです。乳がんは女性のがんの中でも最も多く、一生のうちに女性の10人に1人が発症するとされています。しかし、早期発見、早期治療が行われれば、治癒率が高いがんです。

【症状】

乳がんの症状は、以下のようなものがあります。

・乳房のしこり ・乳首からの分泌物 ・乳房の形や大きさの変化 ・乳房の腫れ、硬化、痛みなど

これらの症状が現れた場合は、すぐに医師の診察を受けることが大切です。

【原因】

乳がんの原因は複数あり、一つの原因で発生するわけではありませんが、以下のようなものが関連しているとされています。

・女性ホルモン 女性ホルモンであるエストロゲンの過剰分泌が、乳がんのリスクを高めることが知られています。

・遺伝子の変異 乳がんにかかるリスクを高める遺伝子の変異があることが、乳がんの発生に関係していることがわかっています。

・ライフスタイル 運動不足、肥満、飲酒や喫煙など、不健康なライフスタイルが、乳がんのリスクを高めることが知られています。

【治療】

乳がんの治療方法は、病気の進行度合いや患者さんの状態によって異なります。乳房温存手術や乳房全摘出手術、放射線療法、化学療法、ホルモン療法などがあります。治療方法については、医師と相談し、最適な方法を選択することが大切です。

【予防法】

乳がんは、早期発見、早期治療が行われれば、治癒率が高いがんです。乳がんのリスクを下げるためには、以下のような予防方法があります。

・定期的な検診…定期的な検診を受けることで、早期発見につながります。40歳以上の女性は、年に1回のマンモグラフィ検査を受けることが推奨されています。

・健康的なライフスタイル…適度な運動やバランスの良い食事、喫煙をしない、適量のアルコール摂取など、健康的なライフスタイルを心がけることが重要です。また、睡眠不足が乳がん発症のリスク因子であることも報告されています。

・遺伝子検査…乳がんにかかるリスクを高める遺伝子の変異がある場合は、早期発見のために定期的な検診を受けることが重要です。

乳がんは、発症する人が多く、女性にとって身近な癌です。しかし、早期発見、早期治療が行われれば、治癒率が高いため、定期的な検診や健康的なライフスタイルの維持が大切です。また、乳がんにかかるリスクを下げるために、遺伝子検査を受けることも検討してみましょう。

 

子宮筋腫とは

女性の子宮にできる良性の腫瘍で、多くの女性が経験する疾患です。一般的に、症状はなく、検診で偶然発見される場合が多いですが、大きくなった場合は下腹部の膨らみや痛み、月経不順・不正出血などの症状が現れることがあります。子宮筋腫は、女性の40歳以上の約25%が発症すると言われる良性腫瘍です。

【原因】

子宮筋腫の原因は明らかではありませんが、遺伝的要因やホルモンバランスの乱れなどが関係していると考えられています。女性ホルモンであるエストロゲンの影響を受けて成長し、更年期になると縮小することが多いです。

【症状】

子宮筋腫の症状には、下腹部の膨らみや圧迫感、月経不順、出血量の増加などがあります。また、腰痛や排尿障害、便秘などの症状も現れることがあります。これらの症状が出た場合には、早めに医師の診察を受けることが重要です。

【治療法】

治療法としては、薬物療法、手術療法、経過観察があります。薬物療法では、子宮筋腫の大きさを縮小させる薬を使うことで、症状の緩和や手術前の縮小を目的としています。手術療法では、子宮全摘出や子宮筋腫のみを摘出する方法があります。経過観察は、症状が軽度である場合や更年期を迎えると自然と縮小する場合などに行われます。治療法は個人差がありますので、医師と相談して適切な治療法を選ぶことが大切です。

【予防法】

子宮筋腫の予防法は、適度な運動やバランスの良い食事、ストレスの解消などが効果的です。また、女性ホルモンのバランスを整えることも予防につながります。具体的には、過剰なアルコールやカフェインの摂取を避け、タバコを控えることが大切です。また、定期的な検診も予防につながります。子宮筋腫は、症状が出ない場合もあるため、検診によって早期発見、早期治療ができるようにすることが大切です。

 

子宮がんとは

子宮がんは女性の生殖器のがんの中で3番目に多いがんであり、毎年多くの女性がこの病気に罹患しています。子宮がんは、子宮の内膜、すなわち子宮壁の内側に発生するがんです。子宮がんは、子宮頸がん、子宮体がん、それぞれ異なる種類があります。子宮頸がんは、子宮の入口部分である子宮頸部にできるがんであり、子宮体がんは、子宮の中心部にできるがんです。

【原因】

子宮がんの原因は、まだ完全には解明されていませんが、以下のようなリスクファクターが関係していると考えられています。

  • 高齢:50歳以上の女性に多く見られます。
  • 子宮頸がんの既往歴:子宮頸がんの過去の治療歴がある女性は、子宮がんにかかるリスクが高くなります。
  • 妊娠歴の少なさ:妊娠をしたことがない、または出産を経験したことが少ない女性に多く見られます。
  • 女性ホルモンのバランスの乱れ:女性ホルモンが過剰に分泌されることで、子宮がんにかかるリスクが高くなることがあります。
  • がん家系:がんの家族歴がある女性は、子宮がんにかかるリスクが高くなることがあります。
  • 肥満:肥満の女性に多く見られます。

【症状】

初期の子宮がんは、症状が現れにくいため、定期的な検診が必要です。しかし、進行すると以下のような症状が現れることがあります。

  • 陰部からの出血や異常なおりもの:特に更年期以降、排卵日を過ぎてからの出血は注意が必要です。
  • 下腹部の痛み:子宮がんが進行すると、下腹部に圧迫感や痛みが現れることがあります。

これらの症状が現れた場合には、すぐに医療機関を受診することが重要です。

【治療】

子宮がんの治療方法には、手術、放射線療法、化学療法、免疫療法などがあります。治療方法は、がんの進行度合いや患者の年齢、体力などによって異なります。

  • 手術:子宮を摘出する手術が行われる場合があります。手術後のリハビリテーションや、腹腔鏡下手術のような近年の技術の進歩によって、術後の痛みや回復期間が短縮されています。
  • 放射線療法:がん細胞を破壊する放射線を照射する治療法です。放射線療法は、手術前に進行を抑えるために、または手術後にがん細胞の残存を取り除くために行われることがあります。
  • 化学療法:がん細胞を破壊する抗がん剤を用いる治療法です。がん細胞を除く正常な細胞も影響を受けるため、副作用が出ることがあります。
  • 免疫療法:免疫力を高め、がん細胞を攻撃する免疫細胞を増やす治療法です。近年、子宮がんの治療にも免疫療法が用いられるようになってきています。

 

3つの女性特有疾患に共通する原因

以上3つの女性特有の疾患についてご説明してきました。

その原因として共通するものが、“女性ホルモン(エストロゲン)の過多”。

 

女性にとって、女性ホルモンは美容と健康に欠かせないもので、今まで、女性ホルモンを増やすこと、エストロゲンを増やすことが、美容に良いと思っていた方が多くいらっしゃいます。

しかし、昨今の女性疾患の増加によって、果たして女性ホルモンを増やす行動が本当に美容に良いのか、健康によいといえるのか疑問が残ります。

 

女性ホルモンとは

女性ホルモンとは、卵巣、副腎などで産生される性ホルモンです。妊娠・出産、そして女性の健康・美容に大きな影響を与えるホルモンです。女性ホルモンには、大きく分けてエストロゲン、プロゲステロンがあります。

【エストロゲン】

エストロゲンは、女性ホルモンの中でもっとも有名なもので、女性の体に多く含まれています。エストロゲンは、女性の第二次性徴(胸の発育、月経の始まりなど)を促進する役割があります。また、骨密度を維持し、血管の健康維持、認知症予防にも重要な役割を果たします。ただし、過剰なエストロゲンは、子宮がんや乳がんなどのリスクを引き起こすことがあります。

【プロゲステロン】

プロゲステロンは、主に月経周期を調整するために産生されます。また、妊娠中には、子宮内膜を厚くして胎児が安定して育つように保護するために必要なホルモンでもあります。プロゲステロンは、エストロゲンとともに体内でバランスを保っています。

月経がある女性の体内の女性ホルモン周期

 

睡眠と女性ホルモンの関係

睡眠不足がエストロゲンの増加につながるという研究結果がある一方で、そのメカニズムは完全には解明されていません。ただし、いくつかの仮説があります。

 

熟睡ホルモン“メラトニン”

メラトニンは、脳下垂体から分泌されるホルモン。夜の暗い環境で分泌量が増加します。メラトニンは、体内時計を調整し、睡眠の質を改善する役割があります。睡眠の前に分泌され、睡眠を誘発し、深い睡眠を促進します。さらに、メラトニンは、強い抗酸化作用を持っているため、細胞のダメージを防ぎ、免疫機能を強化する効果があります。

メラトニンの抗エストロゲン作用

そんなメラトニンには、抗エストロゲン作用があります。メラトニンは体内のエストロゲン受容体に作用して、エストロゲンの影響を抑制することが報告されています。また、メラトニンは卵巣機能にも影響を与え、エストロゲンの合成を抑制することが知られています。つまり、メラトニンが必要な量を分泌できていれば、過剰なエストロゲンの分泌を抑えることができ、それが、女性特有の疾患のリスク低下・予防にもつながっていくことになります。また、エストロゲンが関与する月経不順や更年期障害の症状を和らげる効果も期待されています。

ただし、メラトニンが抗エストロゲン作用を持つということは、過剰な摂取や投与が女性の健康に逆効果となる場合があるということも忘れてはいけません。とにかく、私たちのカラダにとって、ホルモンはものすごく影響の強いもの。メラトニンのサプリや注射などもありますが、個人差があるため、必ず医師の指示の下で適切な摂取量を決めることが大切です。

メラトニンをしっかり分泌する為に

メラトニンは、夜、睡眠中に分泌されるホルモンです。特に、22時~2時までの睡眠のゴールデンタイムと言われる時間帯に分泌が最大になります。

その為、夜勤で働く女性の乳がんの確率は、そうでない女性に比べて3割高いというデータもあるほど。睡眠の長さではなく、何時に寝るのかが特に重要になります。22時までには無理でも、日付が変わるまでには眠りにつくように心がけるようにしましょう。

メラトニンについてはコチラの記事もご覧ください。

 

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